みなさんはタイムズカーシェアやカレコなどの業者が提供しているカーシェアはご存知だと思いますが、個人間のカーシェアリングサービスであるエニカはご存知でしょうか。
個人間カーシェアは個人の車を個人のユーザーに貸し出すもので、特定の車両が用意されているわけではありません。
今回はそんなエニカの詳細についてユーザー側の立場としてメリットやデメリットを含めて詳しく解説していきます。長くなってしまうので、オーナー側については別の記事で解説します。
エニカとは
エニカは株式会社 DeNA SOMPO Mobility が運営しており、車をシェアしたいオーナーと車を使いたいドライバーをマッチングするサービスです。
通常のカーシェアサービスとは異なり、エニカ自体は車を所有しておらず個人間でのやり取りを仲介しています。そのため利用できる車種は、エニカに登録しているオーナーによって異なります。
エニカの利用料金
エニカの料金はどんなものがかかるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
年会費
エニカは年会費や月会費等の継続使用料などはかかりません。また、登録するだけも無料なので、とりあえず登録してどんな車が借りれるか見るだけでも良さそうですね。
車両代
車の料金は、オーナーが規約に基づいた範囲で設定します。そのため、この大きさの車はこの料金というように決まっている通常のカーシェアとは異なり一概には言えません。
ただ、それがこのエニカのいいところでもあり、何百万円もするような高級車や旧車にもお手ごろな価格で乗ることができます。
ガソリン代
車両代以外に気になるのはガソリン代でしょうが、エニカ利用中のガソリン代は基本的に利用者が負担します。
車オーナーの詳細画面で車の詳細を見ると、シェア条件という項目のガソリン補給という欄があり、「利用分のガソリン補給」と明記されています。
保険料
車は高すぎない価格で借りることも出来るというのは分かりましたが、気になるのは保険ですよね。「もし高級車をぶつけてしまったら何十万円も負担しなくてはいけないのかな。」と考える方が多いと思うます。
エニカでは、利用前に損保ジャパン日本興亜の時間単位型自動車保険(2,000円/1day)、または東京海上日動の1日自動車保険(1,800円/1day、2020年からは2,100円)に入ることになっています。
補償金額に関しては、各保険会社の詳細をご確認ください。
利用日時を過ぎてキャンセルしたい場合の保険料は全額負担になります。
延長料金
もし車の利用中に延長したいと考える時はありますよね。「渋滞に巻き込まれた」「給油してたら時間を過ぎそう」といったことはレンタカーやカーシェアを利用していればよくある話です。
エニカは利用延長という仕組みは基本的にはありません。そのため明確に延長料金というものは存在しません。
では、エニカ利用中に延長したい。せざるを得ない場合はどうすれば良いのでしょうか。それはオーナーにすぐ相談することです。エニカは個人間のカーシェアですので、個人の信用が大切になります。あまりに大幅な返却時間オーバーや悪質な延長はレビューの評価も下がるのでやめましょう。
もし返却時間に間に合わないという時は一つ注意が必要です。それは保険の延長が必要だということです。エニカでは、保険の適用期間が24時間単位となっており、それを超える利用をする場合は保険が切れてしまうので事故を起こした場合は実費負担になります。
そのため、利用中に延長をしたい場合は、オーナーに相談したのち保険の延長をするようにしてください。保険料は1日分です。
エニカの車種
エニカではどんな車に乗れるのでしょうか。上の写真はエニカの車検索画面で、場所・メーカー・ボディタイプなどから検索をかけることが出来ます。
車は個人の所有物ですので実際の車両画像は載せかねますが、日本車はもちろんのこと、ベンツやBMW、ポルシェなどの高級外国車も非常に多く車両登録されています。
登録されているメーカー一覧もこのように非常に多くなっています。
残念ながら私も大好きなランボルギーニがありませんでした……これは日本でのランボルギーニ所有者がベンツ等に比べて少ないことも挙げられますが、保険の適用条件との関係もあると思います。
ただし、レンタカーやカーシェアでは絶対に借りることが出来ない旧車や高級車にも乗れるので非常に車の選びがいがあります。さらにマニュアル車もあるので、昔を思い出したい方にはピッタリです。
※レンタルした車での無理な走行、ドリフト等は事故の原因、信用問題になるので絶対にやめましょう。
エニカの利用方法
エニカを実際に利用する流れを説明していきます。
はじめに入会手続き
エニカを利用するにはまずは入会の手続きをする必要があります。
公式サイトにアクセスすると、このような画面が表示されるので「ドライバーとして利用する方」からドライバー登録をします。
ドライバーに登録する際は、5つのステップがあります。ドライバー登録する際は、まず以下の物を準備してください。
準備物
- 免許証
- クレジットカード(支払いに必要)
- エニカ公式アプリ
- 公共料金の領収書や住民票の写しなど(免許証の住所と現住所が異なる人のみ)
準備が出来たら、画面の指示に従って登録を進めるだけです(アプリ登録などに強い方は簡単に出来ます)。
やり方を簡単に解説すると、「Webで登録するもの」と「アプリで登録するもの」に分かれます。(公式では今回説明するような登録方法を紹介していますが、アプリのみでの登録も可能です)
Webで登録するのは、プロフィール情報・免許証情報です。これは情報を入力するだけなのですぐに完了するでしょう。
次に、エニカアプリに移動します。Web上での登録をしている間にアプリをダウンロードしておくとスムーズに登録が出来るでしょう。
アプリでは、IDセルフィーの登録・電話番号認証・クレジットカード登録をおこないます。IDセルフィーとは、あなたの顔と免許証を一緒に撮影することです。
これは免許証の写真と登録者の顔が一致しているか確認するものですので、他のユーザーには公開されません。登録の流れで自動的に画面が切り替わり撮影ができますので、個人的に写真を用意しておく必要はありません。
電話番号認証(最初におこないます)は、自身の電話番号を入力したあとにSMSで届くコードを画面に打ち込めば完了します。
クレジットカードについては注意点があり、VISAかMastercardしか登録できません。それ以外のクレジットカードしか所有していないという方は新しくクレジットカードを発行してください。
▷関連記事:カーシェアの支払いにデビットカードは使える?クレジットカードにすべき理由を解説
おすすめのクレジットカードは関連記事で紹介しています。
このような流れでエニカへの登録は完了します。
予約から出発までの流れ
登録が完了したら、実際に利用してみましょう。ここからは予約してから出発までの大まかな流れを解説していきます。
エニカを利用したいと思ったらまずは車を探します。車はアプリから簡単に検索することが出来ます。
利用したい車が決まったら、車のオーナーに予約リクエストを送ります。
予約リクエストが承認されたら予約確定となり、自動的に東京海上日動の1日保険に加入します。
承認されたあとは、オーナーとアプリ内のチャットで詳しい日付や時間などについて会話をすることができます。
オーナーと詳しいことについて決めたら、あとは決まった受け渡し場所(待ち合わせ場所)に行き、車を借ります。
当日は免許証やスマートフォンを忘れないようにしてください。お互いの免許証と車の傷の状態をアプリを使って確認します。確認が済んだらオーナーに車の説明をしてもらい、問題がなければ出発です。
予約キャンセルについて
もし利用開始前に車の予約をキャンセルしたいときは、予約の詳細確認ページからキャンセルすることが出来ます。
利用開始後にキャンセルしたいときは、エニカのカスタマーサポートセンターまで直接連絡してください。直前にキャンセルしてしまったときは明確なルールがありますので、そちらについても続けて解説します。
予約開始24時間以前のキャンセルであれば、キャンセル料金は発生しません。しかし、24時間前を過ぎた予約キャンセルはキャンセル料金が発生します。
キャンセル時期 | キャンセル料金 |
---|---|
利用開始24時間以前 | なし |
利用開始24時間以内 | 合計使用料の25% |
利用開始時間以降 | 合計使用料の25%+保険料 |
利用開始時間を過ぎなければ合計使用量の25%のみのキャンセル料金で済みますが、利用開始時間を過ぎてからの場合は、保険が適用されてしまっているので保険料金も入ってきます。
どちらにせよキャンセルする必要がある場合は、オーナーに迷惑がかかるので早めにおこないましょう。
返却の流れ
借りた車を返却する流れを解説していきます。
予約終了時間が近づいたら、給油をおこないます。返却場所に一番近い場所でおこなうのがオーナーへの配慮です。返却時間に遅刻しそうな時は早めにオーナーに連絡しましょう。
返却場所でオーナーと再会したら、車に傷がないか確認します。貸出以前についていた傷以外の傷が無いか確かめます。傷をつけてしまった場合は正直に話しましょう。
オーナーが車に制限距離を設定している場合は、その日に利用した距離を確認します。もし設定された制限距離がある場合は気を付けましょう。
これらチェックが終わったら、最後にレビューを投稿します。エニカでは利用者とオーナーがお互いにレビューを書くようになっており、お互いの評価をします。利用した車が良ければ、素直に良い評価を付けましょう。
また利用したいと思えば、そのオーナーと良好な関係を築くことで次回の貸し出しも喜んで引き受けてくれるでしょう。
これで返却は完了です。
支払いは翌月にクレジットカード払い
先ほど登録に関する説明の時に言ったのでもうお分かりかと思いますが、エニカの支払いは全て翌月にクレジットカードでおこないます。
登録できるのはVISAかMastercardのクレジットカードです。
エニカのメリット
ではエニカのメリットに関して詳しく解説していきます。
レンタカーでは乗れない車にも乗れる(車種が豊富)
エニカはレンタカーやカーシェアとは異なり、車の所有者が個人です。そのため車種に制限がなく、非常に多くの車種がエニカに登録されています。
普段レンタカーでは乗れないような高級車や今では手に入らない旧車、個人がこだわってカスタムした世界に一台の車などがあります。
このような車に気軽に乗ることができるので、エニカの一番のメリット・魅力はそこにあります。
ただし、保険が適用されないような車もあるので、そのような車は登録されていません。利用できる車種に関しては、このページの車種の項目をご確認ください。
レンタカーよりも融通が利く
レンタカーを借りようとした場合は、レンタカーの営業所で貸し出しや返却をします。そのため受け渡し場所はそこ意外指定できません。
一方でエニカは個人間でのやり取りなので、受け渡し場所をオーナーと相談することが出来ます。そのためお互いに都合が良い場所でやり取りできるので、駅近だったり空港、コンビニ等の指定も出来ます。
料金が結構安い
エニカの利用料金はオーナーが個人で設定しています。そのため各オーナーごとの価格競争などもあるため安くあっている場合がありますし、高すぎる場合は同車種を所有する他のオーナーにユーザーを取られてしまうので、ある程度良心的な価格設定になっています。
レンタカーでは20,000円以上するような高級車にも10,000円台またはそれ以下で乗れるかもしれません。
年会費無料
これは結構おすすめなポイントなのですが、エニカには年会費がかかりません。そのためあまりカーシェアを利用しないという方でも登録しておくことが出来ます。
よくあるタイムズやカレコ等のカーシェアでは月に1,000円程度の会員費がかかりますので、それに比べるとかなりお得です。
車好きと知り合える
レンタカーを借りる時では味わえない楽しみ方が、この車好きと知り合えるというメリットです。
エニカのオーナーの中には車にこだわりを持った方が多くいるため、車を借りる際に交流が出来ます。オーナーの車へのこだわり等を語り合えば新しい友人・知り合いが出来るかもしれません。
もちろんそのような交流を望まないユーザーの利用もできますが、新しい出会いがあるのもエニカのメリットです。
エニカのデメリット
解説してきたようにエニカは様々なメリットがありますが、逆にデメリットもありますので両方知ったうえで賢く使いこなしていってください。
好きな日や時間に借りれないときもある
エニカを借りる際は、オーナーと利用者で日時や場所を交渉して貸し出しをします。そのためオーナーの都合に合わない日には貸し出しが出来ません。
利用したい日に必ず借りる事が出来ない場合もあります。車両にこだわりが無ければどなたかの車を借りられればいいのでしょうが、借りたい車を借りたい日に必ず借りれるとは限らないので注意が必要です。
そして画面の奥には個人のオーナーがいることもお忘れなく。
やり取りが少し面倒
一般的なカーシェアは、全てアプリ上のシステムで日付を設定したり車種を選んだりしますが、エニカの場合は個人間のやりとりなので、メッセージでのやりとりが発生します。
システムにまかせた予約じゃないと面倒という方はエニカの利用は向いていません。人とコミュニケーションをとる事が好きという方には向いています。
キャンセル料金が高い
エニカは利用開始時間の24時間前以降にキャンセルした場合はキャンセル料金が発生します。安くてもキャンセル料金は利用料の25%かかってしまうので、10,000円の利用料だった場合は2,500円がかかります。
タイムズカーシェアやカレコ等のカーシェアはキャンセル料金が発生する状況がかなり限られており料金も安いので、それらに比べるとキャンセル料金が少し気になります。
予定が頻繁に変わるという忙しい方はキャンセル料金を覚悟して予約する必要があるかもしれません。
車の管理は素人がおこなっている
一般的なカーシェアサービスは車両管理がしっかりされており、比較的安心して利用することが出来ますが、エニカの場合はオーナーが個人で車を管理しており、オーナーのほとんどは素人の方なので管理が悪い方もいるかもしれません。
これはもはや運の話になってしまいますが、管理方法が悪かったことによる被害も多少は視野に入れる必要があるかもしれません。
ですが、オーナーのプロフィールを読めばその方の性格や車の管理状況がわかるかもしれませんので、車を借りる前にはオーナーのプロフィールを一度チェックしてみてください。
保険内容が物足りない
エニカの保険は損保ジャパン日本興亜または東京海上日動の1日自動車保険に加入することで入れますが、車両保険の上限額は300万円です。
私は初めてこの保険料を見たときは「こんなに少ないの?!」と驚きました。まぁ所詮2,000円程度で加入できる1日保険なので仕方ないですね。
ですがこれは結構なデメリットで、エニカの利用者の中には「高級車に乗りたいからエニカを利用する」という方も多いでしょう。エニカには1,000万円を超える高級車も多く登録されているので、そのような高級車で事故を起こしてしまうと大変なことになりかねません。
300万円以上の修理費用等は自己負担なのでその危険性は考えて借りましょう。
まとめ
今回はエニカの詳細やメリット・デメリットを解説してきました。
エニカは通常のカーシェアでは乗れないような高級車などの珍しい車に乗る事が出来るなどのメリットもありますが、個人間でのやり取りが面倒だったり保険内容に物足りなさを感じるなどのデメリットもあります。
どのカーシェアを利用するかはあなたの用途に合わせてしっかり選んでくださいね!
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