ハイヤーが走っているのを目にしたことはありますか?
先日、都内でハイヤーを何台か目にしたのですが、そのうちの数台が助手席のヘッドレスト(座席上部の枕部分)を倒していたのです。
なんでだろうと考えたのですが、答えがあっているか分からなかったので自分で調べるとともに、元ベンツ営業マンの父に聞いてみました。今回の記事ではなぜハイヤーは助手席のヘッドレストを倒すのかということやそもそもハイヤーとは?ということについて簡単にまとめてみました。
そもそもハイヤーって
ハイヤーとは、完全予約制でエグゼクティブ層(企業の上級管理職)を中心に、企業役員の移動・官公庁への訪問・VIPの送迎などで利用される車です。タクシーのようなシンプルな移動サービスのみにとどまらず、運転手が丁寧な接客をしたり高級車での快適な移動を提供しています。
ハイヤーってどんな人がどんな場面で乗るの?
ハイヤーを利用するシーンは以下のようなものです。
- 企業の社長・役員(社用車含む)の移動
- 海外VIPの送迎
- 取引先の送迎
- 法事やお通夜での移動手段
- 誕生パーティーや記念日の演出
ハイヤーは基本的に特別な日や大切な方の送迎のために利用されます。しかし、よく都内で目にするのは、会社の役員レベルの方の送迎や海外からのVIPのために利用するところでしょう。
ハイヤーの車種
ハイヤーはタクシーと違ってクラウンなどよりさらに高級な車が利用されることもあります。日本交通株式会社のホームページでは、セダンタイプ(ハイグレード・スタンダード)とワゴンタイプが用意されていました。
タイプ | 車種 | 参考画像 (各社公式サイトより) |
|
---|---|---|---|
セダンタイプ | ハイグレード | センチュリー | |
レクサス | |||
スタンダード | クラウン (クラウン マジェスタ) |
||
シーマ | |||
ワゴンタイプ | アルファード | ||
ハイエース |
高級な車であるという以外にも、外観が黒の車であることが特徴で、黒であることで高級感が増しているように見えます。
センチュリーレベルになると価格も桁違いなので、いかにもお金を持っていそうな人が乗る車という感じがしますね。ちなみに、センチュリーは天皇陛下の移動や祝賀パレードなどにも利用されることがあります。
ハイヤーでヘッドレストを倒すのは視界確保のため
では、なぜハイヤーの助手席ヘッドレストを倒すのかという疑問の肝心のな答えですが、結論から言うと、後部座席の方が前の景色を見やすくするためです。やはり、後部座席に乗るお偉いさん方に配慮して、前方の景色を楽しめるように作られているのです。
以下の画像はトヨタセンチュリーの商品ページの一部です。運転席から助手席のコントロールが可能で、後部座席にお偉いさん方が乗車したときに運転手が運転座席からヘッドレストを倒すことが出来ます。
以下の画像はレクサスLSのインテリアなのですが、助手席ヘッドレストを倒しているのが分かります。これにより、後部座席の方は非常に視界が良くなります。これらヘッドレストは電動で動かせるので、ボタンを押すだけで簡単に動かすことが出来ます。
しかし、これら可動式ヘッドレストは日本独特の機能でもあるため、海外メーカーでは取り扱っていないことも多いです。
上の画像は、メルセデスベンツの最高峰ラグジュアリーカーであるマイバッハのカタログの一部です。内装の部分を見てもらうと分かるのですが、可動式ヘッドレストという文字が見当たりません。あのマイバッハでさえも可動式ヘッドレストは付いていないのです。
ベンツも車としては非常に優秀ですが、トヨタやレクサスなどのように日本人の細かいところにまで気を使う精神は評価されるべき点だと思います。
オプションでヘッドレストの機能を変えられる
上記で紹介してきたような可動式ヘッドレストは、標準で装備されているのではなくオプションで付いていたり、そもそも装備不可能な車両もあります。
1つ例として、上記の表はレクサスLS500hの主要装備一覧のシートの項目です。助手席電動可動式についてはEXECUTIVEでしか対応していません。
先ほどのマイバッハもそうですが、日本車においても軽自動車などでは見たことがありませんよね。
ハイヤーに乗るには
ハイヤーに乗るのは様々な場面があり、会社の役員方などは部下など会社の方が手配してくれるでしょう。しかし個人でハイヤーを利用したい場合はどのようにすれば良いのでしょうか。
ハイヤーはまず予約を必須とする乗り物で、タクシーと違い事前に契約した内容で利用します。一般利用する場合は、冠婚葬祭などが多いでしょう。その際は、まず最寄りのハイヤー営業所に連絡するかインターネットから申し込むことが出来ます。
支払いは、現金・タクシーチケット・振込が可能で、クレジットカードは一部不可能な会社もありますので、各社のホームページを参照するかお問い合わせください。
クレジットカードのサービスとして乗ることも
通常はハイヤーの営業所に予約を入れるのですが、クレジットカードの優待としてハイヤーを利用できるものもあります。
ラグジュアリーカードというクレジットカードを持っていれば、対象の飲食店への送迎をしてもらうことが可能です(ラグジュアリーリムジン)。
では、「ラグジュアリーカードに入会すればいいのか」となるかもしれませんが、このようなサービスがついているということは、おのずと年会費も高いということになります。ラグジュアリーカード最高のゴールドカードになると、年会費が200,000円になります。
こう見ると、ハイヤーサービスというのは高級なサービスであることが分かります。
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ハイヤーのヘッドレストを倒すのは高貴な乗り物であり、気が利く日本人ならではだった
今回取り上げたのは、ハイヤーの助手席ヘッドレストが倒されているのはなぜだろうという疑問でしたが、答えは後部座席の方が前方の景色を見やすくするためということが分かりました。ちなみに私の予想は間違っていませんでした。(やった!)
その疑問に伴ってハイヤーについても調べてみましたが、ハイヤーは高級な乗り物であり私たち一般人が気軽に乗れるものではなく、タクシーよりもさらに上級な乗り物だということが分かりました。
ハイヤー。人生で一度くらいは乗ってみたいものですね。
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