このサイトを以前から見てくださっていた方、初めて来てくださった方。こんにちは。
今回はカーシェアのサービス情報や車の知識というよりはこの新型コロナの時期とカーシェアをテーマにお話ししたいと思います。
正直コロナに関する記事を書くべきか否かかなり悩み、一旦ブログの更新を停止していました。コロナに関する内容を記事にするというのは情報発信する身として勇気がいることだと感じていたので控えていましたが、自分の意見も少し発信したいと思い今回に至ります。
先に申し上げておきますが、この記事はこの状況下でのカーシェア利用を推奨するものではありませんので、その点を踏まえて読み進めていただきますようお願い申し上げます。
新型コロナの時期にカーシェアは必要なのか
今回のテーマは「カーシェアはコロナ時代に必要か」ということについてです。
シンプルに考えれば、外出自粛なので出かけることが「悪」という風潮になっており、カーシェアは必要ありません。「自分は自宅で不要不急の外出を我慢しているのに、他人のツイートやインスタグラムのストーリーズを見ると出かけている投稿も目にする。」といった声も耳にします。
そんな状況下では、「カーシェアは必要ない。だって出かける・移動するためのサービスなんだから。」そうお考えになる方もいるかもしれません。その考え方は間違っていないと思います。
さらに、カーシェアはシェア(共同利用)が前提のサービスなので、複数人で同じ車を利用することになります。つまり、前回の利用者がコロナを持っていた場合、自分が感染するリスクがあるのです。もちろんその逆もしかりです。
こう考えると、おのずとカーシェアの必要性は低くなるのかもしれません。
「これからは所有する時代からシェアする時代に変化していく」と多くの場所で言われていましたが、今年に入ってから、実はシェアは危険で今回のような感染症が流行した際は使い物にならない。だったら個人で所有していた方が結局は安全なのではないか。という意見を言う方も現れました。
カーシェアの利用は不要不急か
しかし、カーシェアの利用はレジャーや観光などの今で言う不要不急の外出のためだけに利用されているのでしょうか。いいえ、違います。
共同調査:「カーシェア」はクルマの価値観をこう変える(別サイトに飛びます)
↑こちらの記事によれば、カーシェアの利用目的の多くは日常使いだということが分かります。利用目的の同率1位を占めるのが、「郊外や遠方での買い物」「近隣での日常的な買い物」の2項目です。これらの中にはスーパーに行くことも含まれているはずです。実は私も以前からそういったカーシェアの使い方をしている1人でした(1人暮らし大学生なので金銭面的に車を持てません)。
カーシェアはレンタカーとは異なり、短時間の利用にメリットがあるサービスなので、こういった使い方をする方が多いのです。つまりカーシェアの利用目的が必ずしも不要不急とは言えないかもしれません。
ですが、これは個人目線での主張になっていますので、「それぞれが買い物の仕方を工夫したり、大きなリュックを背負って自転車でスーパーに行くなどすればいいじゃないか。今の時代アマゾンで買い物も出来るんだから家から出なくてもいいだろう。」とカーシェアの必要性をまだ承認できない方もいるでしょう。
じゃあネット通販にだけ頼っていればいいのか(アマゾンの場合)
家から出ずに買い物をする手段としてネット通販がありますよね。その中でも特に皆さんが利用しているであろうアマゾンについて見ていきます。
『アマゾンにインフラの重圧 コロナでネット通販急増 社員感染対策に4000億円』
2020年5月2日の日本経済新聞にこんな記事がありました。内容の一部を簡単に抜粋するとこんな感じです。
- コロナ感染拡大を防ぐため4~6月期に4千億円を社員の安全対策や採用に充てる
- 1~3月期の売上高は前年比26%増、クラウドサービスも伸び4半期の売上が100億ドルを突破、しかし全社の純利益は29%減の25億3,500万ドル
- べゾスCEOは赤字覚悟で84万人の全社員を対象としたコロナの定期検査を実施する方針を発表
- 米国の一部物流拠点は感染者が出たことで閉鎖、一部社員からは「対策が不十分だ」と反発の声
アマゾンの拠点に勤める社員や物流を支えるドライバーなど、感染リスクを背負って私たちのために働いてくれている人もいます。そのアマゾンでも感染者が出てしまっています。
この現状をどう思いますか?ベゾスさんは定期検査をするとは言っていますが、検査の前にどれだけ対策が出来るかが重要ですよね。対策に追いつかず急に私たちがネット通販を利用する頻度が増えたのでこういった結果になっているとも言えます。
そのため、家から出ずにアマゾンだけで買い物していればいいというのも違う気がします。必ずしも「ネット通販を利用しているから外出自粛していて偉い」とは言い切れない気がします。自分は感染しないし感染拡大させないけど、そのリスクを誰かに背負わせているということです。
といっても、だからカーシェアを使えと言いたいわけではありません。カーシェアを利用することがそういった物流を支える方々のリスク回避の1つにならないかということです。
カーシェアを使うという1つの手段
車が無いため、自粛中にある程度食料を買いこむ手段が無いという方もいます。そういったモノを運ぶためのカーシェアの使い方もありますが、この状況下でのカーシェアの利用についてもう少し考えていきます。
みなさんは現在テレワークやバイト先が休業中であまり外に出ていないかもしれません。しかし、外にはまだ人が出歩いています。不要不急の外出が減ったとは言え、必要な外出がある人もいるのです。
キャリーケースを引いて旅行に行くように見えても、ホテルでの自主隔離であったり、会社から出張を言い渡された方であったり、泊まり込みでコロナと戦う医療従事者かもしれません。
それ以外でも、もしあなたが絶対会社に行かなければならない用事がある。スーパー勤務の方で店舗に行かなければいけない。としたらどうやって行きますか?地方の方はマイカーを持っている方の割合が多いかもしれませんが、都内の会社員の方は電車で通勤している方が多いですし、全員がマイカーを持っているわけではありません。
そのため、必要な外出があれば電車に乗らなければいけないのです。これは1人2人に限ったことではないので、少なくなったとはいえ電車の利用者同士のリスクが残ります(本人も電車に乗りたくないとは思いますが)。
ここのリスクを下げる手段は無いか。そう考えた時に、公共交通機関の以外の移動手段としては、徒歩・自転車などがありますが、移動距離などによっては厳しいですよね。そこでカーシェアという1つの選択肢があります。
カーシェアを利用すれば、電車に乗ることなく長距離の移動も自由に出来ますし、レンタカーと違い店舗での受け渡しが無いので他人と直接接触することがありません。そのためこういった方々の移動を助ける手段となるのではないか。
こう考えると移動時に発生する人と人の接触による感染のリスクはある程度緩和出来るでしょう(ソーシャルディスタンスの確保)。しかし、カーシェアを利用すると移動時の感染リスクが下がる代わりにシェアによる利用者同士の間接的な感染リスクが上がります。カーシェアの場合はそこのリスクをいかに抑えられるかがカーシェアの必要性に関わってくると考えます。
各カーシェアのコロナ対策はどうなっているのか
今回テーマにしている「カーシェアはコロナ時代に必要か」ということに関して、そもそもカーシェアが安全でなければ成立しない話です。
では、各社のコロナ対策はどうなっているのでしょうか?カーシェア大手の3社を見てみます。
以下で載せている情報は通常の定期点検・清掃とは別におこなわれている取り組みです。
タイムズカーシェア
会員様により安心して車両をご利用いただくため、現在の除菌機能付き消臭剤に加えて、車内ドリンクホルダー位置への「除菌スプレー*」搭載を順次進めております。
*成分:次亜塩素酸水 液性:弱酸性
全国の車両において、定期巡回時に、会員様が手を触れられる部分を中心に清掃・消毒作業を強化しております。
タイムズカーシェアの場合は、各車両に除菌スプレーと消臭剤が置かれるようです。
その他にも、10日に1回程度の定期巡回の際には、ハンドル・各種スイッチなど利用者が多く触れる部分を中心に次亜塩素酸成分または二酸化塩素成分を使用したもので除菌をしているようです。
カレコカーシェアリング
ご利用の際、窓を開けてご利用いただく等、充分な換気を行ってください。
また、手洗いやマスクの着用、咳をされる際のエチケットなど感染予防にご協力をお願いいたします。ご利用終了時には、クルマに搭載しているおそうじキットによる清掃、ゴミのお持ち帰り、忘れ物の確認をお願いいたします。
万が一コロナウイルス陽性者による車両利用が判明した場合は、直ちにご利用・ご予約を停止し、当該車両において消毒対応等の措置を行ってまいります。
カレコは、特に車内に除菌スプレーなどは置いていないようです。
カレコは東京・大阪を中心としたサービスなので、コロナウイルス感染者数が多い地域のサービスということになります。この現状を踏まえて自ら出来る対策が用意されていないのは、利用者からすると不安ですね。
オリックスカーシェア
通常清掃に加え、ハンドル/ドアノブ/ダッシュボード/各種スイッチ類等、お客さまの手が触れやすい箇所を中心に除菌剤※を使用し清掃を実施。
※二酸化塩素成分または次亜塩素酸成分を使用
オリックスカーシェアの場合は車内に除菌スプレー等は用意されていないようですが、定期的に除菌剤を使用した清掃がされているようです。
一応コロナ対策として定期的な清掃に加えて除菌をしているようですが、これで充分とは言い切れないでしょう。
これからは除菌に加えて会員の体温、体調の状態も把握するなどのさらなる対策が必要になっていくかもしれません。
個人的には、1会員がすべての車を利用できる状態を一旦停止し、会員によって利用できる車種を限定する必要があると考えます。これをおこなうことにより、感染ルートを限定することが出来るからです。また無症状の感染者が2台3台と複数の車に乗れる場合、その後に利用した人がまた複数の車両を利用し、樹形図状にウイルスが広がっていく可能性があるからです。
しかし、カーシェアという複数の車両を利用できるサービスのメリットを1つ失うことにもなるので難しいですね。
ウィズコロナ時代のカーシェアはどうなっていくのか
もし今後もコロナが収まらず、それでもカーシェアが利用されるなら、カーシェアはどうなっていくのか、どうなっていくべきなのでしょうか。
- 今まで以上のコロナ対策
- 医療従事者などに向けたサービス(専用車両・料金の設定)
- 大幅なパック料金の値下げ(既にしている)以降は稼働率を上げる工夫
- コロナ後に利用されるための自社のイメージアップ
簡単に挙げるとこのようなことが必要、変化していくのではないでしょうか。
例えばタイムズカーシェアではナイトパックの値下げ、日産のe-シェアモビは5/1~31までの期間限定(変更可能性あり)で、1回あたり1,600円の利用料無償化を発表しています。e-シェアモビに関しても車内に除菌スプレーが用意されているそうです。
今回の「カーシェアはコロナ時代に必要か」というテーマの結論ですが、それは今の段階で私がすぐに答えが出せるものではありません。しかし、カーシェアが必要かどうかは社会の流れ、利用者の行動によって変化していくでしょう。
カーシェアとレンタカーの違いが分からないという方は以下の記事を参考にしてください。
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